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AN/PRC-74A

画像提供:KDS 神戸電子サービス

AN/PRC-74Aは、1960年代半ばからベトナム戦争にかけて使用された、アメリカ軍のマンパック型(背負式)HF(短波)無線機です。
ヒューズ・エアクラフト社によって開発され、それまで困難だった「移動しながらのHF音声通信」を可能にした画期的なモデルです。

主な特徴と仕様
周波数範囲: 2.0MHzから11.999MHzまでをカバーします。
後継の「B」や「C」モデルでは、この範囲が17.999MHz(または18MHz)まで拡張されています。
出力: 送信出力は約15W (PEP) です。
通信モード: 主にUSB(上側波帯)による音声通信と、CW(モールス符号)に対応しています。
チャンネル間隔: 1kHzステップで調整可能なシンセサイザー方式を採用しています。
電源: 12V DCで動作し、ニッケルカドミウム電池(Ni-Cd)や乾電池パックを使用します。

「A」モデルの独自機能
無印のAN/PRC-74との最大の違いは、バースト通信機能への対応です。
AN/PRC-74Aは、AN/GRA-71などのコーダー(暗号・高速送信装置)と接続できるよう改修されています。
これにより、モールス符号などの情報を短時間で一気に送信する「バースト送信(毎分約300語)」が可能になり、敵による傍受や方位測定のリスクを軽減できました。

運用と歴史
1966年6月頃からアメリカ陸軍に配備が始まり、主に特殊部隊(MACV-SOGなど)や長距離偵察部隊(LRRP)によって、ジャングル深くからの遠距離通信手段として重用されました。
この無線機は当時としては非常に高性能でしたが、後にさらに広帯域化されたAN/PRC-74B/Cや、より現代的なAN/PRC-104へと進化していくことになります。

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