The AN/PRC-71...

PRC-71

画像提供:有限会社 B.M

AN/PRC-71

AN/PRC-71は、1960年代から1970年代にかけて、主に前線航空管制官(FAC)や地上部隊が航空機・地上部隊・海軍との通信を行うために使用した、バックパック型の多目的マルチトランシーバーセットです。
前モデルのAN/PRC-70が1つの筐体で多帯域をカバーするのに対し、PRC-71は4つの独立したトランシーバーを組み合わせて構成されているのが最大の特徴です。

構成と仕様
このシステムは、以下の4つのモジュール(トランシーバー)で構成されており、それぞれ個別にバッテリーで運用することも、セットとして組み合わせて運用することも可能です。

モジュール 周波数範囲 出力 モード 用途
RT-778 4.0 〜 20.0 MHz 10W SSB / CW 長距離通信(HF)
RT-777 38.0 〜 50.0 MHz 6W FM 部隊間通信(VHF-Low)
RT-776 110.0 〜 140.0 MHz 1.5W AM / Beacon 航空通信(VHF-High)
RT-775 240.0 〜 350.0 MHz 1W AM / Beacon 航空通信(UHF)

主な特徴
多用途性: 1つのシステムでHF(短波)、VHF(短距離・航空用)、UHF(航空用)のすべてをカバーしており、空・海・陸のあらゆる部隊と連絡を取る必要がある前線管制業務に特化しています。
全固体化(100% Solid State): 当時の技術としては先進的な全トランジスタ設計で、真空管を使用していません。
電源: 専用の24V DC電源、または車両からの電源供給で動作します。
ビーコン機能: RT-775やRT-776にはビーコンモードがあり、自陣の位置を知らせるなどの用途に使用されました。

運用と背景
この無線機は非常に多機能でしたが、4つの無線機をまとめたシステムであるため、マンパックとしては非常に重装備でした。そのため、PRC-70と同様に、特殊部隊や特定の通信専門部隊での使用が主でした。
現在では、これらすべての機能を一つの小型筐体に収めたマルチバンド無線機(AN/PRC-117GやAN/PRC-152など)に取って代わられています。

[Back]