The AN/PRC-128...

AN/PRC-128
画像提供:小松 氏


AN/PRC-128







AN/PRC-128
送受信周波数30MHz〜88MHz又は130MHz〜174MHz(モジュールを入れた場合), 電波形式FM,
AN/PRC-128は、1990年代にアメリカ軍(特に海兵隊、空軍、特殊部隊)で採用された、周波数帯を「組み替え」可能な軽量ハンディ無線機です。
一見すると前述のAN/PRC-127(商用ベース)に似ていますが、PRC-128はより「戦闘・特殊作戦」を意識した設計になっています。

最大の特徴:RFモジュールの交換
PRC-128の最もユニークな点は、内部のRFモジュールを差し替えることで、異なる2つの周波数帯を使い分けられることです。
Low-Band VHF (30?88 MHz): PRC-119やPRC-126と同じ、地上部隊同士の戦術通信用。
High-Band VHF (130?174 MHz): PRC-127や航空無線、民間警察・消防との通信用。
これにより、1台の筐体で「地上の歩兵」とも「上空のヘリ」や「現地の警察」とも話せる柔軟性を備えていました。

主なスペック
周波数ステップ: 25 kHz
。 チャンネル数: 48チャンネル(16チャンネル × 3バンク)をプリセット可能。
出力: Low-Band: 約1W。
High-Band: 約1.5W。
外観: AN/PRC-127と同じくBendix/King社の設計をベースにしており、液晶画面とキーパッドを備えています。
防水性能: 水深約1mで15分程度の防水性を持ち、戦場での使用に耐えうる設計でした。

運用と評価
用途: 特殊部隊(グリーンベレーや空軍PJなど)が、地上部隊との連絡と航空支援の要請を1台で行うために重用しました。
限界: AN/PRC-119のような「周波数ホッピング(SINCGARS)」や高度な暗号化機能(COMSEC)を内蔵していなかったため、秘匿性が必要な作戦では外付けの暗号化装置(KY-57等)が必要でした。

その後の流れ
この「1台で複数の帯域をカバーする」というコンセプトは、後に登場するAN/PRC-148 (MBITR)へと受け継がれ、モジュール交換なしで全帯域を網羅する現代のマルチバンド無線機へと進化しました。

[Back]