The AN/PRC-1099...
PRC-1099

画像提供:JA3JEA

AN/PRC-1099(および改良型の1099A)は、1980年代後半にDatron (ダトロン)社(旧Transworld Communications)によって開発された、短波(HF)帯の戦術マンパック無線機です。
これまでに紹介したPRC-1077/1088が「PRC-77の外観をしたVHF機」だったのに対し、本機は「PRC-77の外観とアクセサリを流用できるHF機」という非常にユニークな立ち位置にあります。

主な特徴とスペック
用途: 長距離の音声、CW(電信)、データ通信。
周波数範囲: 1.6 MHz 〜 30.0 MHz。
10Hzステップでの調整が可能で、284万波以上のチャンネルをカバーします。
出力: 5W または 20W (PEP/平均)。
通信モード: USB、LSB、CW、AME(振幅変調相当)。
メモリ: 100チャンネルのプリセットが可能。

PRC-77との共通性とメリット
物理的互換性: 筐体の形状やサイズがPRC-77とほぼ同一であるため、PRC-77用の背負いフレーム(ST-138)やバッテリーボックス、ハンドセット(H-250/U)をそのまま使用できます。
自動アンテナチューナー内蔵: 3mのホイップアンテナやロングワイヤーアンテナを迅速に同調させるデジタル・アンテナチューナーを内蔵しており、現場での展開が容易です。
ALE対応(1099A): オプションでALE(自動リンク確立)機能を追加でき、電離層の状態に合わせて最適な周波数を自動的に選択して通信を確立できます。

運用の立ち位置
アメリカ軍での大規模な制式採用よりも、主に同盟国への輸出や特殊な用途、あるいは既存のPRC-77用装備資産を活かしつつ長距離通信能力(HF)を導入したい軍隊に向けて展開されました。
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